◇熱病◇

 

 

Side-K66】

僕達は熱病だった

  ありもしない夢を見ていた
  大人だったり 子供だったり
  男だったり 女だったり…

(次はどんな姿で。いつまでも死を許されない)

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Side-G66】

僕達は熱病だった

  知恵が身に付く寸前だった
  ズルくなって大人になるより
  阿呆のままで昇天したかった。

(血まみれの腕を、身体を。憧れていた訳じゃない)

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Side-D66】

僕達は熱病だった

  曲がりくねった道を見ていた。
  見ない 聞かない 言えない事で。
  胸が膨れてはちきれそうだった。

(ただ一言。「もう殺したくない」と叫びたいだけなのに)

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Side-966】

僕達は熱病だった。

  浮かれた頭で 夢を語った
  下らない未来を 泣きながら語った
  叶わない未来を 憂いながら思った

(不確定なモノにすがるほど。語るに落ちた事は無い)

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Side−TMM】

僕達は熱病だった。
 
  大人と呼ばれる人たちを憎んだ
  希望を持たなきゃ許されないなんて
  そんな世界が 許されるなんて

(何も無い僕は認められない。世界から、この世から)

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僕達は熱病だった。
そして今も熱は下がらない。

いつまでも、引かない熱を抱えて生きている。