クルルが来てからはいつも楽しそうで、兄としては大変結構なのですが。


「むーちゃん!クルルから聞いたよ!?」



可愛い妹の笑顔に癒される反面。俺は現在あまりしない嫉妬を強烈にしています。


しかも人間じゃなくて
宇宙人の喋る黄色い蛙に…






●愛し愛され両手に花っしょ?●








「むーちゃん…大丈夫?ちょっと怒り過ぎた?足痺れた?」

只今家族揃って(兄妹二人と蛙一匹を家族の括りで呼ぶかは知らないけど)一家団欒。

と、言うか…俺正座中。

一家団欒と言うより、の【お説教ナイト】の時間。
今回は俺がサボり過ぎなのに加えて勝手に学校からも出てる事について、クルルに告げ口された。

「ちょっと落ち込んだかも…」
「あの、えと…言い過ぎたならゴメンね?」


ヤバい、オロオロしながら謝られるからニヤけそう。
別にの説教には慣れてるから怖くないんだけどね?怒るも可愛いから。


  一生懸命
「メっ!だからね?」とか言われて萌えない訳がない。

俺だって人間ですから。萌えとか普通に感じ取れる器官、備わってるから。


リアル妹属性恐るべしだよ。俺、この部分だけはアキバの住人に勝てる自信が滅茶苦茶あるし。
『妹属性部門』とかあったら絶対優勝させられる。俺が勝手に作って出場させようかなぁ?

とにかく。

うちの妹は可愛いんです!


が謝る事無いよ。俺が悪かったんだし」
「そう言えばそうだよね。もー、出席日数や単位足りないで落第したら恥ずかしいもん…」
「その辺はちゃんと計算してるって言ってるでしょ?」
「うん。でも今回は心配させたから怒ったの!はい今日はおしまい♪」

パン、と手を叩いてお説教ナイト終了。もういつも通りの笑顔な
ただしやっぱり我が妹。
【もし学校から電話が来たら愛するガンプラかバイクがバラバラゴミ送りだよ?】と笑顔で言われた。
凄い人質(メカ質?良くわかんないけど)を取られてしまった。

うん、の場合はマジでやるから暫くは気をつけようと思う。









「あ、そうだ!むーちゃんに見て欲しいのがあるから待ってて!」

パタパタと部屋に走り去る姿も可愛いよ。

「はぁ、バレずに終わった…」
「クーックック、お前マジで顔がヤーバかったなぁ?」

元凶のクルルはずっとの横にいて笑い堪えてるし。
あー、マジで足痺れた。
これがバレたら
【悶絶地獄一直線!】と言うとんでもない荒業も平気で掛けてくる。
まぁ簡単な話、痺れてる足を踏んでくるって事なんだけど…容赦無く残酷だよね…子供って。

「睦実ぃ、10歳に説教されてニヤ付く兄貴って相当じゃね?」
「今日はまだニヤけも我慢出来た方だよ。それよりクルル、最近と仲良すぎじゃない?」
「そーかぁ?まっ、俺様の魅力にやられたんじゃね?」


クルルが来てからは家では自分の事を「あたし」じゃなくて「」って名前呼びになった。
別に可愛いさが上がったから良いんだけど、コレってやっぱどうなの?とか思うわけ。

クルルがの心境を変化させたって事。

つまりクルルのおかげ。

心の警戒心が鋼のように硬いがこんなにクルルに気を許すなんて正直思わなかった。
せいぜい初対面の時の【生きた食材扱い】が続くと思ってたのに、今やペットも通り越してる。


に何か言ったの?」

クルルも俺と一緒でそんなに他人に関心を持つタイプじゃないのになぁ?
そう考えるとクルルも結構不思議な訳。

「あー…言ったかもなぁ。それから懐くようになってきたし。クッ〜クックッ」
「教えろ」
「ククッ、嫉妬全開な兄貴は嫌われるぜぇ?」
「俺も演技派だからね。の前ではちゃんとしてるつもり」


大事なマブダチな意味もだけど、絶対に興味の欠片も無いと思って家に連れてきたのに。
まさか人間じゃなくて
この黄色い蛙に嫉妬する日が来るなんて…

俺の人生も中々面白い事になってるよなぁ。



 



しばらくクルルのノーパソを一緒に覗いてたら。

「ほらむーちゃん見て!テストで花マル貰った!!」


パタパタと嬉しそうにテストを見せながらが戻ってきた。
昔はその勢いで
ギュッて抱き付いてくれたけど、流石にも恥ずかしいのか最近は俺の前でストップ。
お兄ちゃんとして大人の階段を昇るを応援すべきなんだろうけどね?
正直、階段を壊す方に全力を注ぎたい訳です俺としては。


「わ、コレ算数じゃん。苦手なのに頑張ったね?」
「でしょ!凄いでしょ!?」
「うん凄いよ。良く頑張りました!」

あーもー、ニパッて満面の笑み!可愛いなぁホントに!!
取り合えずいっぱい撫でてから俺からギュッてする。
まだバグと頬キスだけは許してくれるから、させてくれなくなるまでは目一杯やろうと思ってる。

「これね?むーちゃんに誉めて欲しくて頑張ったんだよ」
「俺のため?」

それって超健気だよね!?
全くもう可愛いやつだな


「うん、ビックリさせようと思って。
クルルに教えて貰ったの!」


 
 オーケー、マイシスター。
  色々俺の心境が複雑骨折起こしそうだから。
  それ以上はちょっとだけ黙っててくれるかな?
 

クルルが絡むってどーゆー事ですか?



「むーちゃんビックリした?」

「うん、勿論。ところでクルルに勉強を?」
「むーちゃんいない時だったから。でもクルルすっごく教え方意地悪だったよ!」
「なぁに言ってんだぁ?俺様とのマンツーマンだから有り難く思えよ。あれで満点取れなきゃバカ過ぎる」
「取れたからバカじゃ無いもんね!」
「睦実ドッキリも成功したんだから俺様に感謝しな。クッ〜クック」

後ろでクルルが嫌な方向に笑ってるのが分かる。
良かったを抱き締めてて。おかげで今の俺の表情はには見えない。


  あー、ヤッベー。
  久し振りにちょっとマジ腹立つかも。


「…むーちゃん、ちょっと苦しいっ…」
「あっ、ゴメン。とにかくは良く頑張りました!じゃあ何か一つお願いね」
「ホントに!?じゃあ次のマンションのゴミ出し当番がいい!!」
「うーん、もうちょっと可愛いお願いとか無い?」


リアル実生活密着型過ぎるんだけど…。
このから
『お菓子が欲しい』とか『おもちゃが欲しい』とか。
そういうレベルを未だに期待しちゃう俺も俺なんだけどさぁ。

「だって眠いんだもん。たまにはむーちゃんもマンションのご近所付き合いとかに貢献しなさい!」


そう言うと褒められて嬉しいのと仕事押し付けて嬉しいダブルの笑顔では風呂に向かった。
やばい事を引き受けたなぁ。それ、朝7時くらいからじゃなかったっけ?奥様集団と一緒にゴミの分別。
てゆーか、俺を起こすのは結局だから別に何も得をしない気が…。

まぁいいや。それは今は置いとこう。


さて。


「クールールー…色々聞きたいことあるんだけど」
「クッ、が俺様に構うからって嫉妬し過ぎだろ。流石にヒくぜぇ?」
「良いからこっち向いて」

ガっ!と頭を持ち上げて正面を向かせる。
頭を鷲掴みに出来るナイスサイズって良いよな。

「別に一緒に生活するからと仲良くなるのは構わないよ。けど
変な事したり教えるのは無しだからね?」
「ガチだなお前…」

そりゃ可愛い俺のですから?
ガチで当然。そこだけはヒかれて結構。
いきなりロボットアームとか出したらビックリするし。


「まぁ…お前の言う変のボーダーラインが俺様にゃ分かりかねるが。例えばこんなんかぁ?」

クルルが俺にパソコンを向けて。
流れる動画は…

「ちょっ!?」
「ク〜ックック。盗撮なんてお手の物だぜぇ?」

リアルタイムなのバスルーム!
ご機嫌で歌は良いけど覗かれてるってダメじゃない!?
てゆーかゴメン!俺の最強の贔屓目でみても
やっぱりちょっと音痴だよ!!

「まさか家中に監視カメラが!?」
無料のセコムだ。有り難く使いな」


何てこった…


「悪い…。
色々全てにおいて全力で謝るから俺の部屋は外して…頼むから…」
「ククッ、別にに見せるなんて言ってねぇだろうがよぉ?」
「いやでも俺、一応思春期真っ只中なんで…」

に見せてはならない物とかあるんです。芸能人としてもイメージガラ落ちな。
『何か』は察して。俺もオトコノコです…。

「クックッ。まぁコレで俺様がこの家での主導権は獲得したって事だな」

一瞬『マブダチ、やめたい』とか思った。
さて思ったところで!!

!今すぐお風呂から出て!!」
「おっといいのかぁ?」
「何がだよ?!」

蛙に盗撮されて何がいいの!?
ダメでしょ?!こんなの俺と同属なマニアにたまらないじゃん!!
絶対他に流されるの嫌だし!!俺以外にの裸は絶対許ないよ!?

「これさえありゃ、いつでもが何してるか分かるだろぉ?」
「っ…そうかもしれないけど!」

確かに危ない目に合ったときには…が家で突然泥棒や誘拐されたら…
でもケータイ持たせてある!勿論GPS付き!!
って言うか迷うな俺!
コレ犯罪だからマジで!!

「今みたいに風呂や寝顔も見たい放題。一人言までな。ククーッ」


うわっ…
もう止めてよマジでそういう誘惑の仕方。
完全に俺が【ロリシス属性の上に変態なのを前提】にしてるし、
確実に乗っかるじゃん。
言っとくけど普通の女の子も好きだからね俺は!!


「むーちゃーん?さっき呼んだぁ?」
「あぁダメだって!ちゃんと身体と髪拭いて!」

ついでにタオル1も!!

風邪引いちゃうから!

「え、だってすぐ戻るし…大きい声出してどうしたの?何慌てんの?」
「何でもないよ?ほら湯冷めしちゃうから早く戻って」
「うん?分かったけど夜だから大声止めてね。変なむーちゃん。
いつもだけど」



  ふぅ、落ち着け俺。深呼吸。
  何をそんなにテンパる必要が?



「…クルル、やっぱ監視カメラは構わないよ。付けといて?」
「ぁん?」
「それでを守ってよ。どうせ家中に何か防犯対策勝手に仕込んでるんだろ?に何かあったら宜しく」

何かあって「から」じゃ遅いから。
俺自身がといる時間が少ないのもあるし、は背が低いから椅子も標準装備。いつも落ちないか見てて結構心配なんだ。

 
まぁ正直【本物】がいるからムービーは結構。

さっきみたいなサプライズも無くなるしね。何事も生が一番デショ?


「チッ、面白くねーなぁ」
「その程度で動揺し続けるのをダチにしたいと思う?」
「ま、勘弁だけどな」

クルルも言い方を変えてるだけで、結局を心配してんだろ?
こないだからのメールで知ってんだぜ?


  『クルルとマブダチになれたよ♪もむーちゃんとクルルの仲間入り!』


見た瞬間、滅茶苦茶ビックリしたよ。
どっちから言い出したのかは知らないけど、クルルも何だかんだでに気ぃ使ってんじゃん。


「クルルって素直じゃないよな?どーせの事ちゃんと『可愛い』って思ってんでしょ?」
「クッ、アイツが怪我すると飯が無ぇからな。ついでにツルペタ幼女に興味無ぇよ」
「へぇ?まさか風呂まで一緒に入ったとか言うんだ。
見せてよ」
「ッ…残念だかその時の録画はねぇよ」
「ふーん?」

どうせ俺への嫌がらせの意味もあって録画はしてあったと思うけど。
にずーっと『お風呂に入りなさい!』って
追い掛け回されてたし。
一緒に入ったならさぞかし遊ばれただろうね?相手はだし。
正直俺とはもう入ってくれないからすっごい悔しいけど。

…本気で羨ましいけど。


「ったく…お前等兄妹、俺様に頼りすぎなんだよ。どんだけ俺様が好きなんだ?あぁ?」
「さーてねぇ?両手に花じゃん」
「はぁ?アホくせ…」

俺の言葉にクルルは呆れてパソコン切ってメカ作りに向かった。



はクルルが来てから変わった。
勿論好きだと思う。多分
まだ三割程度は食材扱いだけど。
俺だってクルルは好きなわけ。宇宙人でこれだけ技術が発達して。
何より喋る蛙。こんな面白い事は手放せない。

そんなクルルは俺達兄妹のマブダチだから。
クルルも当然、両方好きだろ?


「愛されてるよねクルルって。モテる男は辛いって感じ?」
「クッ、今んトコお前ら二人で手一杯だぜ」


黄色いマブダチに嫉妬もあるけど。

それも人生の刺激でしょ?退屈しなくて今のところはオーケー。
あ、勿論蛙に妹はあげないけどね。






の事、正直に可愛いって言えば?でもお嫁さんにはやらないから)
(いらねーよ。言っとくが俺様の年齢を地球人にしたら完全に相手じゃ犯罪だぜ?)
(そうなの?まぁ宇宙人と地球人ってトコで既に無理だけど)
(つーかお前の方が既に犯罪臭ぇんだよ。ったく…)







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先輩、ロリシス全開です。仲良し北城家って事でw
てゆーか、アニメと原作で先輩の年齢が違う事に今更気付いた。アニメでは中3なんですね。私は(今は)高校2年のつもりです。